日本BD(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長 阿知波達雄)は、臨床用フローサイトメーターを用いた細胞検査のための自動検体前処理装置 「BD FACSDuet™ 自動サンプル調製システム<洗浄機能付き>」(読み BDファックス デュエット 以下、BD FACSDuet™ 洗浄機能付き)を10月6日に発売開始いたします。これにより、臨床用フローサイトメーターを用いた細胞検査のさらなる自動化が実現され、検査の標準化と、業務の効率化が期待できます。
白血病・悪性リンパ腫などの細胞解析に欠かせないフローサイトメーターの前処理をサポート
白血病・悪性リンパ腫の診断や治療後のモニタリング、病型診断および治療効果の把握に欠かせないのが細胞解析装置のフローサイトメーターです。これらの疾患の正確な検査結果を得るためには、検体の洗浄ステップなど多くのマニュアル操作が必要となります。そのため、前処理工程での技術者間の差異によるばらつきを最小限化することが、課題とされてきました。
この度、発売した 「BD FACSDuet™ 洗浄機能付き」 は、既存モデルの「BD FACSDuet™ 自動サンプル調製システム」 に遠心機能と洗浄機能が内蔵された装置です。臨床用フローサイトメーターの「BD FACSLyric™ フローサイトメーター」(読み BDファックス リリック) と連携させ、検体の洗浄が必要な検査においても、検体のセットから検査レポートまで、一度も手を触れる必要のない細胞検査の完全自動化を実現します。これまで課題だった技術の差異や人的エラーのリスクを軽減することができ、再現性の高い結果を得ることができます。また、この自動化によって、感染リスクやコンタミネーションリスクなども軽減され、トレーサビリティを確保するワークフローの標準化も可能となります。
左) BD FACSLyric™ フローサイトメーター
販売名:BD FACSLyric フローサイトメーター, 製造販売届出番号:13B1X10407000161
右)BD FACSDuet™ サンプル調整システム<洗浄機能付き>
販売名:BD FACSDuet 自動サンプル調製システム, 製造販売届出番号:13B1X0407000176
日本BDは、フローサイトメーターのパイオニアとして、疾患の診断や治療の精度向上に貢献し、医療現場の安全性に配慮した製品を提供してまいります。
BD FACSDuet™ 自動サンプル調製システム と BD FACSLyric™ フローサイトメーターの連携フロー
【用語集】
フローサイトメーター
フローサイトメーターは人の体を構成する細胞や粒子の様々な特徴を高速で測定する技術(サイトメトリー法)を用いた検査装置です。フローサイトメーターでは蛍光標識した大量の細胞をサンプル流として高速に流し、細胞1つ1つにレーザーを当てることにより発生する散乱光や蛍光の強度を測ることで個々の細胞の特徴を解析し、細胞集団についての情報を得ることができます。
BD FACSLyric™ フローサイトメーター
BD FACSLyric™ フローサイトメーターは、臨床検査と臨床研究の両方をサポートするよう設計された高性能細胞分析装置です。血液細胞の表面に存在するタンパク質マーカーを数種類の蛍光色素で標識することで、一度に複数のマーカーを分析することができます。それにより、白血病細胞の特性の分析と、治療後にごく少量残った白血病細胞まで見分けることが可能となり、治療効果の確認に役立ちます。その他にも、FACSLyric™ フローサイトメーターでは、HIV患者の病状の進行をモニタリングすることや、白血病の治療などに用いられる末梢血幹細胞移植などの造血幹細胞移植の幹細胞の計測に用いられます。
(販売名:BD FACSLyric フローサイトメーター 製造販売届出番号:13B1X10407000161)
BD FACSLyric™ フローサイトメーターを使って行われる主な検査